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三十九踏み目 人穴

2007年11月27日
富士講の聖地・人穴

hitoanasyoumen.jpg●人穴
 所在地 静岡県富士宮市宮町 おどろおどろしい、何だか横溝正史な場所だった。人穴。曇り空のせいかもしれないが、あたりの空気は湿っぽくちょっと重かった。
 富士講とは、江戸時代に江戸を中心に広まった富士山を信仰する宗教集団である。

 富士講は、戦国時代の行者角行藤仏によって創始された。角行が修行したのがこの人穴であり、また最期を迎えたのもこの地である。
 角行の修行というのが凄い。四寸角の木材の上に、片足でつま先立ちになるというもので、伝承によればその期間は千日間! 
 hitoanaue.jpg その時に、仙元大日神からお告げを受けた。千日も角材の上につま先立っていれば、それだけで神様だと思えてしまうが、角行はそれからも人穴の中にこもり修行を続け、その教えを広めたという。

 行者とは、修験者などの山岳修行をする人たちを指すことが多い。神道や仏教などがもろもろミックスしていて、ボクにはまだよく分からない。
 角行自らがオリジナルの文字を開発して、それを護符として信者に与えていた。まったく独自の宗教なのだった。
 講の信者にしてみると、富士山登山は一種の苦行のようなものだった。確かに実際の富士も五合目を超えると、植物限界を突破し、ゴツゴツとした岩だらけで、死の山といった様相になる。
 明治以降、西洋からレジャースポーツとしての登山が導入されると、富士登山の修行性は薄まり、富士講も急速に衰えていった。

執筆者: 高野龍也
高野龍也 1971年福岡市生まれ。
印刷会社営業から、地元出版社勤務、フリーペー パー発行などを経てフリーライターに。2001年から3年間、某紙 企画で九州各地を取材して放浪。市町村単位で150市町村を踏破。 2005年10月よりペーパーカンパニーに参画。現在も紙面、企業広報紙、ホームページなどにて執筆。趣味は、写真を撮ること。パイプおよび喫煙。散歩。
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