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迷惑メール22億通で2千万円の売上げって・・・。
日々、あいかわらず迷惑メールが飛び込んでくる。
誰がひっかかるのか。どのくらいの確率の商売なのか。
知りたいと思っていたら、「悪徳商法マニアックス」というサイトにこんな記事が掲載されていた。
2008年02月15日(金) 13時11分
<迷惑メール>25歳男を逮捕 1年半で22億通 東京(毎日新聞)出会い系サイトの広告など「迷惑メール」を一方的に送信したとして、警視庁ハイテク犯罪対策総合センターは15日、東京都江東区大島6、アルバイト、椎名勇気容疑者(25)を特定電子メール送信適正化法違反容疑で逮捕したと発表した。06年5月~07年12月に約22億通の迷惑メールを送っていたとみて追及する。調べでは、椎名容疑者は07年11月13日、江東区白河2のアパートで、パソコン5台を使って「今すぐ女性と会いたいというお客様のご要望にお答えいたしました!」という内容の出会い系サイトの広告メールなど9件を、送信者情報を架空アドレスに書き換えて送った疑い。椎名容疑者はインターネット上のサイトを通じ、送信先のアドレス約80万件を10万円で購入。知人を介して知り合った広告主から出会い系サイトの広告メール送信などを請け負っていた。送信相手がサイトに登録すれば、1件ごとに1500~2000円の報酬を受け取っていたという。調べに「約2000万円稼ぎ、海外旅行や中古車購入に使った」と供述しているという。
続いて、記事からこんな試算をしている。
1件ごとに、1500~2000円、約2000万円稼いだとのことだから、
申し込み件数 = 2000万円 ÷ 1500円 = 約1万3千件となり、
迷惑メールを見て購入に結びつく割合は、
申し込み割合 = 約1万3千件 ÷ 約22億通 = 0.0006 % = 6ppm
メタミドホスの残留農薬基準値(キャベツの場合)は 1ppmだから、
6ppmというのは、かなり高い。
※ちなみに、宝くじの1等が当たる確率は、0.1ppmです。
千葉県の流山市や島根県の松江市の人口が約15万人だから、
中堅の地方都市のすべてのヒトにあたって1人が反応するかどうかくらいの確率なわけである。15万にメールを打って、149999通のメールは捨てる。残りの1人にかけるという「おかまいなしの仕組み」を、ビジネスと呼んでいいものかどうかはわからないが、きわめてインターネット的であると言える。
一方、しつこい営業のセールス電話は、どのくらいの確率で成約に結びついてるのであろうか。あるオートコールのシステムを売っている営業用のサイトには、こんな記述がある。
例えばDMにしても、1000通だして、990通くらいはゴミ箱直行、10枚位は目に留めてもらえて、そのうちの1人か2人位が反応してくれる・・・・そんな反応ですよね?
チラシなんて10,000枚くらい撒いて、9,999枚くらい捨てられて、反応取れるのは1人くらい・・・・
テレアポはもう少し上がるにしろ、平均的な営業マンだと、1000件掛けて新規アポ5件くらい。しかも、朝から晩までやっても1週間じゃ終わらないし・・・。
ここでは、全国3400万件の電話帳データベースが100万円ポッキリ!で売り出されて、普通に流通している。
こうして見てみると・・・一部の悪徳商法は、0.00%のコンマの数字と戦うマスマーケティングである。
規模=量を追いかけないと、ビジネスが成立しないという構造である。
でも、これだけで悪徳屋は終わらないところが、悪徳屋の所以である。
0.00%のコンマの数字で獲得した新規顧客は、
ベロベロと呼ばれるカモリストとして闇の世界で売買される。
ウィキペディアから抜粋すると・・・
カモリストは昔から存在するが、特にアポイントメント商法、デート商法、内職商法、架空請求、振り込め詐欺、出会い系サイト、ワンクリック詐欺、原野商法で騙された人の名簿が悪質業者間で高額で取引されている。
カモリストという言葉は、ネット上の掲示板や雑談で使われるようになった俗語で、訪問販売業界ではベロベロの資料、ベロベロのリストと呼ばれる。 詐欺集団が跳梁跋扈する限り莫大な利益を生み、一業者への限定販売で他に流さない契約だと一件2000円などのリストも存在し、セットで販売すると2000万円以上に上る事もあり、売り上げの多くは歌舞伎町や六本木のキャバクラに還元される等、2007年現在でさえバブルさながらの生活をブローカーにもたらしているケースも多い。
と記されている。
マスマーケティングの後に、その新規顧客をクローズドしていく、
利益率の高いダイレクトマーケティングビジネスが走っているというわけだ。
それが、地下経済のマーケティングの実態だ。
浜銀総合研究所の門倉貴史研究員の試算によると、たとえば女子中高生の援助交際の市場規模がおよそ500億から630億円など、積み上げていくならば、日本の地下経済規模は高めに見積もって20兆円近くあるという。
2000年度の日本の地下経済を総額20兆3000億円程度として、
その構成比率を次のように説明している。
・個人の脱税……58・2%
・法人の脱税……11・3%
・暴力団の非合法所得……10・4%
・セックス産業の非合法所得……7・3%
・ヤミ金融業者の非合法所得……3・9%
・産業廃棄物の不法投棄……3・9%
・パチンコにおけるゴト師集団の非合法所得……1・4%
・医師への謝礼金……1・3%
・その他……2・1%
医師への謝礼金が1・3%=約3000億円近くもあるということが驚きだ。
お金の集まるところに、マーケティングの智恵も集まる。
悲しいことだが、現実的には、そうなる。
地下経済のマーケティングから学ぶことは多い。
知り合いのお母さんが、社会保険庁を名乗る「おれおれ詐欺」にひっかかった。
何でそんなもんに引っかかるのかと聞いてみたら、そのシナリオと演出が凄い。
社会保険庁の人間を装って電話をかけてくるそうだが・・・
電話をとった側のおばあさんが説教したくなるくらい全然ダメな係の者を装ってくる。
テキパキと指示を出したり、交渉するのではなく・・・
ほんと迷惑をかけてすいませんの態らしい。
思わずしょーがないわねぇ・・って、振り込みに行っちゃったらしい。
消費者=社会保険庁問題の被害者に対する加害者側のダメさ加減を、よーく練り込んだものだ。こういうのは、現状把握と顧客想像力に長けた優秀なプランナーやシナリオライターがいなけりゃ構築できないのではないか・・・。
翻って考えてみると・・・大きな詐欺商法の片棒をかついでマス広告費やタレントの派遣をしていた広告代理店や放送局があったことは否定できない。突き詰めると、そういう代理店や放送局が、罰則の対象となって、ニュースにならないのも厳密的に言うとおかしい。
親しい社長に、「マーケティングって、詐欺みたいなもんだよね」と言われてことがある。
返す言葉がなかった。
そういうのも込みでマーケティングだと考えている。
なので、善悪の基準は、プランナーやマーケッターの個の価値観によることになる。
「公」に対して何ができるのかを、常に個人で問い続けておかないと・・・
我々マーケティングに携わる者が、
地下経済に引き込まれる可能性は非常に高いっ。
ひえっ・・・。