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『お墓めぐり』人気がキタぁー!
お墓の前では、みんな仲良し。

中高年層の間で「お墓めぐり」が、人気らしい。
都内の霊園を巡って歴史上の人物に想いを馳せる。
NHKの大河ドラマ「篤姫」の影響もあるらしいのだが。
この人気は、たぶん永続的に続くと思う。
『お墓詣り』は、きっとトレンドになる。
雑誌「WEDGE」の1月号の大人の社会見学というコーナーで「墓地めぐり」が取り上げられている。
その中で東京都内の「青山霊園」のことが記されている。
約80000坪ある広い園内には、14000の墓があり、12000人が眠っているという。
大久保利通に、浜口雄幸に、犬養毅に・・・。
東大農学部教授・上野栄三郎氏の墓の側には、忠犬ハチ公の碑もあるという。
みんなが知っている明治以降の歴史と物語が、そこにはある。読み取れる。
作家の江上剛氏は、その記事を下記のように締めている。
『生前は敵対した者たちも同じ墓地で眠っている。死は誰にも平等に訪れると考えつつ、彼らの様々な思いを想像すると、心は悠久の時の彼方に飛び、自然と癒されていく』。
不景気で、企業の未来に暗雲がたれ込める。政治的にも、未来が見えない。
「出口」が見えない。
こういう時に、人間は、どういう行動をとるのか・・・。
不安定は嫌だから・・・確かなものを求めるために、過去を見つめる。
「お墓」には、こういう時代だからこそ求める「確かさ」と「出口」がある。
「お墓」とは、過去のデータベースが詰まったサーバーのようなものだ。
そこに繋がりにいくことが「お墓詣り」である。
初七日、四十九日、一回忌に、三回忌・・・・。
死んだ後も、故人との関係を儀式にできる。
その期間に意味や役割を持たせることのできるのが、人間なのだと思う。
人間の理性の本質は、実は、こういうとこにあると思っている。
「死んだらそれでおしまいよっ」じゃない。「過去は、過去じゃん」じゃない。
そんなに人間が刹那的だったら、世の中は、ここまで発展はしていない。
「死」に際して、個人の生きてきたデータベースを詰め込む「お墓」を用意することによって、
過去と未来を、永遠に結んでいる。
「お墓」って、凄い発明だと思う。「お墓」なしに、「人間」の幸せな繁栄はなかったと思う。
アナログなサーバーなのだが、
頭と心をフルに活用して、そこから必要な何かを導き出す。
「検索」機能はないが、ストレスにはならない。むしろ、癒される。
ある尊敬する年配の経営者の方に、
人間は「死を引き受ける覚悟ができなければ死ねない」とお聞きした。
「死」とは、人間の苦しみや悩みの究極のもので、誰もが初めて経験すること。
最期は、自分ひとりで引き受けなければならない重い出来事なのだ。
「お墓詣り」の効用は、自分は「必ず死ぬ」ことを日々の中に確信することだ。
「必死」になることの意味を身体で感じることだと思う。
「お墓詣り」の人気が、続くことを心から願う。
そうしたら、日本全体が「必死」になるかもしれない。
「必死」になると、捨てて良いものがわかる。
「死を引き受ける前」にやるべきことがわかる。
前述の作家の江上剛氏の「墓地めぐり」には、次のような一文がある。
「青山霊園で最も名高いのは乃木希典の墓だろう。日露戦争の英雄で、明治天皇の死に夫妻で殉じた。2人仲良く並んで葬られている。墓は、自然石を使い慎ましやかで人柄を偲ばせる。同じ敷地に、日露戦争で戦死した2人の息子の墓が夫妻と向かい合って立っている。国に殉じた一家の歴史に思いを馳せると、厳粛な気持ちになり、背筋が伸びる」と。
不景気が必至と言われる日本で、誰が「必死」になるべきか?
この正月の里帰り・・・父の墓前で、背筋を伸ばして考えてみた。