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たった2年と2ヶ月で♪

2009年05月14日

2年と2ヶ月。約800日。
恋愛でも、ビジネスでも、その期間には、意味がありそうなのだ。
気になるっ。

稀代の作詞家・阿久悠氏は、
「たった2年と2ヶ月で」という歌謡曲を書き遺している。

小さな部屋でも お城と信じ
小さな愛でも 命と信じ
たがいにつくして 暮してきたが
今日から他人で 別れる二人


誰をせめたらいい 誰と泣いたらいい
たった2年と2ヶ月で
終ってしまうの 二人の愛は♪


大ヒット曲「3年目の浮気」は、1982年の作品。
その4年前の1978年に、阿久悠氏は、この作品を発表している。
3度目の正直という諺があるように、「3」という数字には、回数としての説得力がある。
しかし、人間の生活習慣が1年=365日を単位に気持ちが一新されていくと考えた場合・・・1年やって、やり直して2年を過ぎて、あと1年を過ごすかと言うと・・・待てないっ。せいぜい結論を出すまでには、2ヶ月程度だろう。回数ではなく、別れるかどうか?心情の問題として捉えた場合、「2年と2ヶ月」というのは、妙に説得力がある時間ではないだろうか。さすがは、阿久悠氏である。



・・・で、ビジネス的にも、「2年と2ヶ月」というのは、意味がありそうな話しを見つけた。オバマ大統領誕生の際に、米国の経済専門誌で取り上げられた論考で、次のようなものがある。

殆どのブランドがペプシの戦略と似ている。
新しいCMO(Chief Marketing Officer)がくる度に、
或いは広告代理店が変わるたびにコピーが変わる。


1975年以来、BMWのスローガンは変わっていない。
"The Ultimate Driving Machine"
1975年以来、ペプシのコピーはこれだけ変わっている。
1975: "For those who think young"
1978: "Have a Pepsi day"
1980: "Catch that Pepsi spirit"
1982: "Pepsi's got your taste for life"
1983: "Pepsi now"
1984: "The choice of a new generation"
1989: "A generation ahead"
1990: "Pepsi: The choice of a new generation"
1992: "Gotta have it"
1993: "Be young. Have fun. Drink Pepsi"
1995: "Nothing else is a Pepsi"
2002: "Generation Next"
2003: "Think young. Drink young"
2004: "It's the cola"


33年前、BMWが初めて「The Ultimate Driving Machine」のキャンペーンを打った時、
BMWのアメリカにおける輸入欧州車シェアは11位であった。今は1位である。
33年前、ペプシはコーラで二番手であった。今日、たくさんのコピーを経て尚、未だに2番手である。

ペプシのコピーは、平均して2年2ヶ月で変わる。
アメリカの平均的なCMOの在任期間も、2年2ヶ月である。
雑誌Businessweekに於ける、
平均的な企業広告キャンペーンの期間も2年2ヶ月である。


1年やって芳しい成果がなかった・・・
もう1年頑張ってみて様子を見るが・・・大きな変化が見られない。
もう1年、このままなの?・・・そろそろ、辞めどき?
「2年2ヶ月」って、ビジネスの世界でも、変化が具体的に現れる期間として説得力がありそうだ。
ダメな方向に動いたときに、恋愛も、ビジネスも、3年まで待てない。
その具体的で、物理的な時間が「2年2ヶ月」ってことなのだろう。
ちなみに、日本の内閣の平均任期(再選は2つの内閣と計算)は、「1年4ヶ月」らしい。
安倍、福田、麻生・・・・「2年2ヶ月」待てない特例の連続だ。


IBMの名経営者と言われたT.Watson Jr.氏は、
企業が永遠の存在であるために守るべき3条件として、
1.信条を持て
2.信条を守り抜け
3.それ以外のことは全て変えてしまう勇気を持て
 と遺しています。



ペプシの場合は、変わらないコカコーラに対して「変わることを信条」としているので、その戦略やキャンペーンがコロコロ変わることは良しだろう。
しかし、コロコロとトップが変わって、コロコロと企業メッセージが変わるのは、どうもいただけない。
きっと、今年はオバマ大統領誕生を受けて、「変革=チェンジ」をスローガンに掲げている企業も多いかと思う。しかし、「企業の信条」を、この機会に確認したり、語らずして、ただ「変化」を叫んでいると・・・その変革は、きっと「2年2ヶ月」を待たずに終わる。うまくいかない。

33年変わらないというBMWの「The Ultimate Driving Machine」は、ほんとシンプルだ。
まさしく、「信条」だ。

真に「変化」ができる企業とは、変わらぬ「信条」がある企業である。
そういう企業には、「2年2ヶ月」以内に、きっと成功が訪れる。

執筆者: 中村修治/へそ社長