- ■ 爽やかな30代を目指して 【ぎょーむ日報】
- ■ あけましておめでとうございます
- ■ あけまして おめでとうございます。 【ぎょーむ日報】
- ■ お隣さん 【ぎょーむ日報】
- ■ シティボーイ 【ぎょーむ日報】
- ■ 将来の夢 幼稚園編 【ぎょーむ日報】
- ■ やり遂げる 【ぎょーむ日報】
- ■ タクシー運転手に憧れて 【ぎょーむ日報】
- ■ 工事してよー 【ぎょーむ日報】
- ■ 先輩日記⑥
『ゆるエロ』は、「ありか、なしか」。
阿寒湖に生息する特別天然記念物“まりも”をモチーフとしたキャラクター「まりもっこり(人の姿をしたマリモの股間がもっこりしているというゆるキャラ)」は、未だ、人気だ。
しかし、そのゆるーいエロブームにあやかって開発された秋田発の幻のマスコットキャラクター「きりちんぽ」は、非難が殺到。発売中止の憂き目にあった。
さて、どうしてなのか?
日経エンターテイメント8月号には、「時代を読み解く!ヒットキーワード厳選11」という特集が組まれていた。そこに、『草食系男子』や『婚活』に並んで、『ゆるエロ』が登場している。
この『ゆるエロ』には、大きく2つの意味があるらしい。
ひとつは、直接的な表現もさらっと聞き流せるような工夫が凝らされた下ネタ
芸人で言えば、性にまつわるあるあるネタを詩吟の節にのせて謡う天津・木村の「エロ詩吟」。コントグループ我が家のイケメン・坪倉の真顔で言うエロネタ落ちが、それに当たる。
卑猥さよりもバカバカしさ。若い女性でも笑えるようなモノであることがミソのようだ。
ふたつめは、身体の強調しないゆるいシルエットのファッション
ピタピタより、ゆるアイテムから見える素肌の方が絶対にエロい。「見せます」ではなく、「見えちゃった」という・・・女性側が狙っていないエロいファッションを『ゆるエロ』と呼ぶそうだ。
※資料/日経エンターテイメント8月号「時代を読み解く!ヒットキーワード厳選11」より
下ネタを言ってる方も、その下ネタにこっそり突っ込んでいる自分も『許されるエロ』。
ゆるいファッションの隙間から覗く下着や素肌を見せている方も、こっそり見る方も『許されるエロ』。
そう、『ゆるエロ』ブームとは・・・「エロ」に関する「許すハードル」が、低くなっていることの現れであるわけだ。
自分に対する「ゆるさ」は、どんどんハードルを低くしている。「熱い」ことよりも、ゆるい=適当・いい加減、適当な感じの方がクールでカッコいいという美学が、世間に広まっているちゅうことである。自分に対する「ゆるさ」を「許す=あるものとする」若者達の増大とともに、『ゆるエロ』芸人やファッションは流行するのだ。
そこで重要なのは、「許すか、許さないか」「ありか、なしか」という、ゆるさが美学になる若者達の価値基準である。
自分にゆるくて甘く、他人に厳しい・・・。
オレ様基準の「小さな正義=許すハードル」が、近頃の若者たちには絶対的にあるようだ。
それは、エロのような自分の欲望に向けられたときには、極端に低くなる。しかし、それが社会に向かったときは、一挙に「許すハードル」は、高くなる傾向がある。
『ゆるエロ』ブームを、そのように捉えたとき・・・天津・木村の「エロ詩吟」の最後のフレーズ「あると思います」は、万能のコトバである。
どんなひどい下ネタ=許せない下ネタも、「あると思います=社会一般の範疇に入っている」と締め括ることよって「許すハードル」がクグッと下がる。「あると思います」は、自分の中の小さな正義の指標を表すコトバである。下ネタを言った本人が、自嘲気味に「あると思います」と宣言した時点で、すべてが「ゆるーい」構図の中に納まる魔法がかかる。
北海道発の「まりもっこり」は、自分の隠れた欲求に結びついたキャラクターとして捉えたから「許すハードル」は、極端に低くなって、受け入れられた。許すもなにも・・・前例のない『ゆるエロ』だったので、無自覚に受け入れられ、「ありか、なしか」「許すか、許さないか」の一般的ラインができあがった。
そこに、秋田発の幻のマスコットキャラクター「きりちんぽ」である。そういう二番煎じで儲けようとする社会や会社に対して、一挙に「許すハードル」は、高くなる。「これも、あると思います」と自嘲気味に言えばかわいいものを、、、素直に謝ったりするから、さらにバッシング。そうして、ないものになってしまったのだ。
若者たちの「小さな正義=許すハードル」は、どこで線が引かれているかは、明確ではない。きわめて曖昧で、感覚的だ。しかし、「あると思います」という一言で、その境界を上げ下げすることはできる。「ありか、なしか」「許すか、許さないか」の境界分析は、マーケティング視点で捉えても面白い。
では、世間一般的に「ありか、なしか」「許すか、許さないか」の境界は、どれくらいのシェアが必要になるのか・・・。面白い話しがあるので記載する。
京大霊長類研究所の正高信男氏(「いじめを許す心理 」 岩波書店)によると、「いじめ」の場合、「いじめを止める側」の人間が40%を超えると、その数は雪だるま式に増えて87%にまで至る、反対に40%を割り込むと、 「いじめを止める仲間」はどんどん脱落し、しまいには10%にまで下がってしまう、という例が挙げられている。
この数値を「臨界質量」と呼ぶらしいのだが・・・「ありか、なしか」「許すか、許さないか」の境界も、このあたりにありそうな気がする。「それって、なしだ」「絶対に許せない」率が40%を超えると・・・それは、バッシングになっていく。反対に、60%以上の人が「まぁ、ありじゃない」「許していいんじゃない」と考えていると・・・それは、『ゆるエロ』を許す土壌になっていく。
なので、『ゆるエロ』ブームの中の「あると思います」は、臨界質量を操作する魔法のワードなわけである。